第307号(2024年3月22日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
今週号はオーストラリアの首都キャンベラからお送りいたします。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、引き続き
【危機管理の交渉術(Crisis Negotiation】についてお話しします。
先週号まではHostage Negotiatorのテクニックと心理がいかにビジネスや日常生活における
緊急事態・危機管理の交渉術でも役立つかについてお話しし、具体的なスキルと心理について紹介しました。
今日からは少しアングルを替え、具体的な危機対応として
【コロナのパンデミック下での交渉術】
についてお話しいたします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろな動きを見せています。
一つ目は【予想通りにプーチン大統領が再選されたこと】についてです。
3月15日から17日にかけて行われたロシア大統領選挙では、予想通りプーチン大統領の再選が決まりました。
これで、何もなければ、2030年まで“プーチン大統領のロシア”が続き、
各国はロシアとの付き合い方を模索しなくてはならなくなりました。
アメリカのブリンケン国務長官が『ロシアの大統領選は民主的ではない』と早速コメントしたり、
欧州各国の首脳も同様のコメントをしたりしていますが、
オースティン米国防長官の『ウクライナは国の存亡の瀬戸際に追いやられた』というちょっと違った角度からのコメントは、
現実に迫りくる危機に対する警鐘と捉えられます。
来月以降、早ければ来週以降のロシア・ウクライナ戦争の動向から目が離せません。
二つ目は【太平洋を巡る安全保障と国際情勢】についてです。
今週、オーストラリアに来ていますが、物理的な距離もあり、
ウクライナ情勢や中東情勢はあくまでも“時事問題”として報じられるものの、
あまり国民の政治的な関心を感じることはありません。
どちらかというと、迫りくる身近な危機として、気候変動問題に焦点が当てられ、
メルボルンでは大規模なデモが行われましたが、そこで30人ほどが警察に身柄を拘束される事態となっています。
あと安全保障という観点では、国際的な部分では中国の動向に非常に気を配っているのが分かります。
今週はちょうど王毅外務大臣が訪豪し、中豪間で相互に課している経済制裁の解除・軽減に向けた協議が行われると同時に、
太平洋に安全保障面での懸念についての話し合いも行われるようです。
また、現政権下で強まる中国への警戒心、特に中国系留学生によるプロジェクトへの関わりや、
大学が提供するスタディーツアーなどへの参加を制限するなどの措置が取られているため
(一部、受け入れ側からの通達もあり)、その“緊張”を説きたいという思惑も見えます。
こちらで話を聞く限り、オーストラリア政府の安全保障分野での覚悟の高さを感じることが出来、
特に台湾有事が本当に起こった場合には、ウクライナの例に擬えて
『アメリカは後方支援に留まり、前線には出てこないだろう。その場合、オーストラリアと日本は連帯して、
中国の脅威に対処しなくてはならないが、日本にその覚悟はあるのか』と、
オーストラリアの政府高官数人から尋ねられる事態です。
日本でもしっかりと議論されなくてはならないでしょう。
三つ目は【ネタニエフ首相を切りにかかったアメリカ政府・バイデン政権】についてです。
バイデン政権からの再三の申し入れ、要請、警告にもかかわらず、ラマダン中もガザへの攻撃の手を緩めることなく、
ひたすらハマス、そしてガザ全域の破壊と壊滅に突き進むネタニエフ首相。
ついにバイデン政権も、米連邦議会も堪忍袋の緒が切れ、公然とイスラエルにおける総選挙、
つまりネタニエフ首相の退陣を要求するようになりました。明らかな内政干渉でありますが、そのメッセージの裏には
『もうこれ以上は、ネタニエフ首相の政治生命の延命のため“だけ”に行われる残虐な行いを、
アメリカ政府は看過できない』という最終通告と受け取ることができます。
非常に深刻な事態かと想像しますが、今後、アメリカ政府のこの姿勢と要請が、
中東和平のプロセスにどのような影響を与えるのか。これもまた目が離せない重要な事項です。
【2-国際情勢の裏側】では、
【“プーチン・ロシア帝国”と国際情勢‐ブロック化の加速と分裂】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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