話を強引に戻しますが、『ゴッドランド』は「19世紀末、単身アイスラン
ドに渡った牧師が残した数枚の写真が入った箱が発見されて、その写真に
インスパイアされて作られた映画」という枠組みの映画です。この枠組み
自体がフィクションなのですが、それは大して重要ではありません。監督
が、そういう風に想像を膨らませて物語を作っていったということですが、
ぼくが『ゴッドランド』で面白いと思ったのは、とてつもない、本当に圧
倒的な自然=カオスが支配する「混沌の国アイスランド」という場所に赴
いた牧師が、写真を撮ることによってその自然=カオスを「イメージ」と
して再構築し理性によって「理解」しようと試みる、という部分です。あ
んまり書くとパンフの原稿とかぶってしまいますからちょっと端折り気味
に書きますが、これは映画内でそう言っているわけではなくて、「なぜ」
彼が重い写真機を持って厳しい旅路に挑み、「なぜ」最後まで写真機を手
放そうとしないのか、ということを考えるとわりと自然に導き出される推
論です。
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