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ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2024年3月24日(日)号

ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  「野球消滅」から「再興」へ ベースボール2.0 MLB2024韓国ソウルシリーズ開幕 野球復活への道筋 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------  メジャーリーグの国際化の新たな取り組みがスタートする。MLB は20日、韓国ソウルの高尺スカイドームで、サンティエゴ・パドレス-ロサンゼルス・ドジャースの開幕カードをスタート。  開幕戦にはパドレスのダルビッシュ有投手が先発、2戦目にはドジャースの投手として山本由伸が指名され、巨額契約を勝ち取った大谷翔平選手とともに、試合を彩る。  メジャーリーグの国際展開は、今回が初めてではない。1990年代以降、競技の普及や選手発掘をもくろみ海外展開を加速。  90年に米国・カナダ以外では初の公式戦となったメキシコを皮切りに、米自治領プエルトリコやオーストラリアでも試合を行ってきた。東京でも2000年に初めて公式戦を開催。来年も開催が検討されている。  MLB は、莫大な放映権料収入に支えられ、 22年の総収益は108億ドル(約1兆6000億円)にまで拡大。一方、米国内で球場に足を運ぶ人の数は伸び悩む。  22年の有料入場者数は6445万6658人。コロナ禍の感染拡大の影響で入場制限があった20~21年を除くと、1998年以降で最小にまで落ち込んだ。  一方、日本のプロ野球(NPB)の2022年の公式戦の入場者数は計2107万1180人。12球団各143試合のNPBと、MLB30球団162試合という数値を比べれば NPB と MLB の入場者数は、1試合あたりでみてもそう変わりない。 目次 ・韓国の野球再興を目指して ・野球 国際化の現在地 ・5人制野球 「ベースボール5」注目 ・韓国の野球再興を目指して  今回、メジャーリーグが海外展開とともに背負う任務は、「韓国の野球再興」だ。  約3600人。これは韓国で高校野球をプレーする人の人数だ(1)。対して日本の硬式野球部員は14万3867人だった。  現状、韓国のプロ野球は「小数精鋭のエリート主義」という側面が強い。韓国の高校野球児はほぼすべてプロ野球を目指すという(2)。  スポーツは大学進学や兵役免除の手段という側面も強い。競技としての裾野の広がりも不十分で、 「大枚をはたいて試合見てくるような”コア層”は生まれにくい」(3)(名城大・鈴村裕輔准教授) というのが実情だ。  17日にスカイドームで行われたドジャース-キウム(韓国プロ野球チーム)の試合は約1万8000人の収容人数に対し、観客や1万4600人といやや空席が目立った。  優秀な選手の供給源である韓国の事情は、MLB も懸念するところ。韓国は過去、アジアでは日本に次ぐ強豪国としてメジャーリーガーも多く輩出してきた。MLB側も熱心なのもうなずける。 ・野球 国際化の現在地  MLBの国際化戦略は決して順調とは言えなかった。MLBは、初め、中国市場へ進出。2008年の北京夏季オリンピックを機に、中国で野球を広めるための熱心な取り組みを開始したものの、野球の人気は伸び悩む。  対照的に同じ時期にNBAで中国出身の姚明選手が活躍し、バスケットボールの人気が高まっていく。  その後、MLBは欧州に目を向け、イタリアを含む各地でアカデミーを設立し、才能の発掘と新たな市場の開拓に取り組む。  そして2019年には、英ロンドンでメジャーリーグの公式戦が初めて開催。イギリスは野球のルーツとも言えるクリケットの発祥地であるため、野球の普及に期待が寄せられる。

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  • 日々流れるニュースを、様々な視点から分かりやすく解説するニュースサイト「ジャーナリスト 伊東 森の新しい社会をデザインする The Middle News Journal」のニュースレター有料版です。 いまだ私たちに伝えられてこないマスコミの情報は、残念ながら存在します。 「そもそも?」「Why?」を大事に、マスコミの情報を再編集し、様々な視点や確度から執筆していきます。 その「水先案内人」として、私の仕事が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
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