■仕事の進め方
1日24時間は短い。仕事をしていると、もうこんな時間かと驚く
ことがある。もっと効率的に仕事をこなせたらと日々考える。だが
短く終えようとしても、残業沼からは抜け出せない。
残業を気にせず、思う存分働けば、経験を積むことはできる。だが、
限界を超えて働いて、心や体を壊せば、仕事に復帰できなくなる可
能性がある。
成果を出し続ける人は、業務の処理能力が圧倒的に高いわけではな
い。正しく諦めているのだ。諦めるべきポイントを見極めて、時短
すべきポイントを明らかにしているのだ。
★
1週間のスタートは、時短の実践上極めて重要だ。メールや通知の
確認から始めると沼にハマる。週末に溜まったメールや通知の処理
に取りかかると、その日はそれで終わる。とても危険だ。
月曜からフルパワーで仕事を始めると、仕事を抱え込む。疲れが溜
まりペースが狂う。だから大事なタスクを書き出すことだ。それを
念頭に置くことで、その他のタスクへの力の入れ方が決まるのだ。
決める基準は影響力と緊急度だ。影響力の高いタスクは、長期的成
果や目標の達成に大きく関わる。将来の大型顧客に対する提案や、
リーダーシップ研修への参加などが影響力の高いタスクだ。
緊急度の高いタスクは、本日中に提出すべき報告書など、早い対応
が求められるものだ。だが、緊急ではないが影響力の高いタスクの
ほうが成果と効率をアップする。緊急度より影響力を重視すべきだ。
★
やるべきことだけでなく、やめるべきことを決める基準も明確にし
ておくだ。 成果に直結しない活動、他社がより効果的に行えるタ
スクは手放す覚を持つべきだ。
たとえば、週1回の内容で時間を浪費する習慣や、目標達成に不要
な会議、情報収集を見つけ出し、翌週には思い切ってやめる実験を
する。問題がなければ、そのままやめ続けてしまえばいいのだ。
影響力のある2つのタスクと、やるべきこと、やめるべきことの基
準を週の初めに書き出すと仕事だけでなく、家事や育児などプライ
ベートでの時短にもなる。私生活の充実にも直結するのだ。
★
はじめの1歩を踏み出す方針を決めておくことだ。作業内容を把握
せず、戦略も持たずに作業を始めると、時間通りに終えることがで
きなくなる。 不要な工程を踏んだり、作業をやり直すことになる。
全体像を整理して、やることを決めてから始めるのも良くない。
予定を詰め過ぎてしまい、想定外のことに対処できなくなってしま
うことがあるからだ。
たとえば、経営会議に向けて入念に準備したのに、当日に発表時間
を半分にされて、重要なことを言い切れなかったりする。だから、
やらないことを決めてから始めるべきだ。
仕事では全てをやることが最善ではない。時にはやらないことを選
択することが求められる。これは、何が最も重要なのかを理解し、
それに集中するための戦略なのだ。
★
たとえば、社内の資料なら、余計な情報や装飾は不要なはずだ。別
の会議の資料を流用すれば、作業時間は大幅に減る。凝った資料を
作るのはやめると最初に決めてから作成に取り掛かるのだ。
このように、取り掛かり方には戦略が求められる。タスクが多い時
ほど、やらないことを明確にするべきだ。 この原則を理解し、実
践するべきだ。そのためには、目標や優先事項を理解することだ。
これが明確なら、すべきこと、やらないことが判断できる。やらな
いことを決め、得られる時間とエネルギーを使って、最も重要なタ
スクに集中するべきだ。
そうすれば、やらねばならないことを見てストレスを感じることは
無くなる。自分がコントロールできる行動が選択でき、時間とエネ
ルギーを最大限に活用することができるようになるのだ。
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