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「世界経済・市場花だより」第665号 力づくの「日本株高・円安」シナリオに圧し潰された市場/当面は心理戦に堕さざるを得まい

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」
******************************* 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」  ******************************* 第665号(2024/3/24) 力づくの「日本株高・円安」シナリオに圧し潰された市場/当面は心理戦に堕さざるを得まい この週刊「世界経済・市場花だより」は、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、ブーケ・ド・フルーレット馬渕治好が、わかりやすく解説します。 ※ 自主開催セミナーの予定です(カッコ内は、現時点でのお申し込み数/定員、です)。残席は、10を下回った場合に表記します。 3/30(土)名古屋(7/25) 4/6(土)浜松町(5/25) 4/13(土)ウェブ(5/150) 4/20(土)札幌(5/25) 4/27(土)高岡(2/25) 6/1(土)大阪(2/18) 6/15(土)横浜(2/20) 6/29(土)福岡(0/20) 7/13(土)浅草(8/20) 7/27(土)ウェブ(1/150) セミナーのスケジュールは、 http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub3.html のページの下の方にあります。詳細やお申し込みは、それぞれのリンク先をご覧ください。 ☆過ぎし花~先週(3/18~3/22)の世界経済・市場を振り返って <日米の中央銀行の会合前後で、でたらめな口実による力づくの「日本株高・円安」シナリオに、市場が圧し潰された> (まとめ) 前号のメールマガジンで、「本来の動きである米ドル安・円高が進む前に、理由をこじつけて米ドル高・円安(並びに日本株高)に力づくで持って行こうとする投機筋の動きがあるとの観測があり、もしそうであれば市場を歪ませるばかりになると懸念します」と書きました。 実際の先週の市場動向も、誠に残念ながら、日米の金融政策を決定する会合が真に何を意味するかにはまったく関係なく、そうした力づくの売買により、無理やり日本株高・円安へと、市場が圧し潰されてしまいました。 (詳細) 先週の最大の注目点は、日米中央銀行の会合でした。実際の決定事項や、総裁・議長の発言などは、「ほぼ」事前の想定通りでした。想定通りということは、市場がおおむね織り込んでいるはずですから、会合前あるいは会合を通過しても、株価も為替相場も別に上がりも下がりもしない、という展開が「正しい」です。 しかし実際の相場は、前号の当メールマガジンで懸念していたように、現実に起こったことやこれから現実に起こりそうなことは無視され、先々週辺りから徐々に表面化していた「力づくで日本株高・円安に持って行こう」との動きに市場が圧し潰されてしまいました。 中央銀行の会合についてきちんと見ていくと、3/18(月)~3/19(火)に開催された日銀の金融政策決定会合では、事前の予想通り、一部の準備預金に課されていたマイナス金利が廃止され、短期金利(翌日物コール金利)の目標は0.0~0.1%となりました。加えてYCC(イールドカーブコントロール)が廃止となり、長期金利が大きく跳ね上がるのであれば、国債の買い入れで対応する旨が打ち出されました。また株式ETFやJ-REITの新規買い入れもやめることが決まりました。 こうした種々の決定は、すべて事前に報道されていた通りでしたし、会合後の記者会見における植田総裁の慎重な発言(利上げを性急には進めない、今回の利上げでもまだ金融緩和を維持している状態にある、など)も、既に予想されているニュアンスでした。 そうした点からは、日銀の会合は特に円安をもたらす材料ではありませんでしたが、一部の資金は、「日銀は利上げに慎重だから金利はあまり上がらない」という点を声高に振りかざし、円を売りました。筆者は、本気で日本の金利が上がらないから円が安くなると判断した投資家よりも、円を売ることに決めていて、日本の金利が先行きどうなろうと知ったことではなく、金利が上がらないとの口実を唱えて円を売った(何でもいいから円安に持って行けば儲かると考えた)投資家が多かったのではないかと推察しています。 また、そうした理不尽な円安により、「円安だから日本の輸出株を買ってもよい」との口実が叫ばれて、日本株も理不尽に暴騰しました。

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