【戦車のオモチャ】
ある時、セミナーの流れでインナーチャイルドとトラウマの話から、自分たちのインナーチャイルドに取り組んでいた。
みつおはトラウマと言われてピンとこなかったが、一人一人が自分の幼い頃のトラウマについて発表していたので自分も何か発表しないといけなと思い、幼少期の思い出を話はじめた。
他の人の発表を聞いていて、みつおはびっくりしていた。
それぞれ、とても辛い経験を発表していたからだ。
「すみません、みなさんの発表を聞いていて、とても辛い経験をしてきたみたいで、僕はそんなに大した経験はしていないので、改めて自分は平凡な家で幸せだったんだと気づきました」
みつおは、本当に自分は幸せだったんだと思っていた。
「生まれた時から家もあり、両親も揃っていて、兄弟姉妹もいるごく普通の家庭でした」
みんなは微笑ましくみつおの話を聞いていました。
「ただ、親父は怒ると怖い人で、よく夫婦喧嘩をすると、母親と共に夜から家を飛び出して知人の家に泊まったりしていました」
「そして、父親は僕が不貞腐れて泣いていると、とても腹を立てて、天井から吊るされてベルトで殴られ、僕は吊るされたまま眠ってしまうことが多くありました」
すると、急にざわつき始めた。
「泣くなって言われても、ベルトで殴られたら余計に泣きますよね」
みつおは、冗談で言ったのだが誰も笑っていなかった。
それどころかしんみりとしてしまい
「みつおさん、他の誰よりもとても悲惨な経験ですよ、3、4歳のときに天井から吊るされて殴られたって、虐待じゃないですか」
誰かが言うと、みんなはその意見に賛同し、結局はだれよりも同情されとのだった。
「えっ?そんなに凄いことですか?」
みつおだけが理解していなかったのだった。
その後、さらに幼少期のトラウマを思い出すために、いろんな話をすることになった。
そして、みつおは思い出した事を語りはじめた
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)