「もしトラ」を考える中で、トランプの「反日度」を考える
とにかく、ドナルド・トランプ政権というのは、基本は反日です。大将自身は「80年代には不動産屋の客としてケチで嫌だった」とか「カジノでも金払いの悪い最低の連中だった」程度のイメージで日本を嫌っている程度だと思います。これに加えて「あんなアジアの原住民みたいな魚臭い文化を、有難がっているのが大嫌いなリベラルなので、基本的に日本は好かん」という程度の偏見もある可能性はあります。
問題は、トラとその一族ではなく、支持者です。トランプ現象というのは、何もかもがクレージーですから、全部がカオスになって一体化して世界を破壊にかかっているイメージがあります。ですが、実は、トラ本人とコア支持者の間には、かなりの距離があります。どういうことかというと、トラ本人はまだ常識的ですが、支持者の方は本当に過激で異常なものを抱えているということです。
例えば議会暴動がそうで、トランプは冗談半分に煽っただけかもしれませんが、支持者は人を殺し、それこそペンス氏を「吊るす(絞首刑にする)」などと叫ぶに至っています。つまり、支持者の方がトランプより過激なのです。
コロナのワクチン問題もそうです。トランプは、自分は大統領のときに、mRNAワクチンの超特急開発を成功させたのは自分の功績だとしています。これは世界的にも認めてやって良いと思います。ですが、コアなトランプ支持者は「コロナのワクチンは、殺人の陰謀だし、少なくとも悪魔の製薬会社に世界が騙されている話」だと信じています。その上で、「大将は騙されて協力させられただけなので、まあ許してやろう」などと思っているわけです。
ですから、トランプは保守州での遊説では「ワクチン開発の功績」を自慢することはしていません。とにかく異常で過激ということでは、本人より支持者の方がひどいのです。そのトランプ支持者のコアな部分、つまり「元製造業の組合員」で「アメリカ経済の栄光の製造業が衰退したので、自分たちの人生まで否定された」と思っている層というのは、極端な反日です。
日本の自動車が、TVが、ビデオ機器が、FAXマシンが、コンピュータや半導体が、自分たちの栄光あるアメリカ製造業を破壊した、と今でも恨んでいるのです。現在は2024年で、ガソリン車とハイブリッド以外の産業では、日本経済には見る影もないのですが、自分たちが現役世代の際に受けた「貿易摩擦の怨念」を忘れられないボケ老人たちです。
その人達のヨボヨボの怨念というのは、トランプ主義の中核にビルトインされているのです。勿論、初当選した8年前と比較すると、支持者は年老いていますし、若い支持者も入っています。ですから、トランプは8年前に言っていた「公的年金は維持」という政策を取り下げて「年金リストラ」を言い始めています。もっとも、今現在既に年金をもらっている人には影響はないので、ジジウヨのトランプ支持者には問題はない話です。
それはともかく、そうした60代後半から70代のトランプ支持者の中にある、「80年代の日本」への怨念というのは、相当なものだと思います。ですから、仮に「日米安保維持」となった場合にも、その条件だとか何とか言って、厳しい要求を突きつけてくる可能性はあります。まずは、大幅な負担額アップということは避けられないでしょう。防衛費GDP2%などという以前の漠然とした目標ではなく、もっと具体的で厳しい負担要求になると思います。
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