喜多川泰のLeader’s Village Vol.105号です。
あなたが会社の面接でこう問われるとする。
「あなたは給料30万円と給料40万円ではどちらの方がやる気が出ますか?」
と。
おそらくあなたは、
「40万円の方が俄然やる気になります」
と即答するだろう。
でも実際には、あなたのやる気を左右するのは「あなたがいくらもらえるか」ではないんですね。あなたのやる気は「あなたじゃない人がいくらもらっているか」に左右されています。
あなたが30万円でも、同期で入った誰もが20万円で数年先に入っていた先輩も25万円しかもらっていないとしたら、会社は自分のことを評価してくれていると感じて俄然やる気になるでしょうし、あなたは40万円もらえていても、同期の誰もが50万円もらっていて、後から入った人も、あなたが自分よりも仕事ができないと思っている人も50万円もらっているとしたら、まったくやる気にはならないでしょ。
それどころか「人によって差がなく誰もが40万円です」という状況ですら、やる気を失う可能性だってある。自分は誰より長い時間働いているのに、他の人より会社に貢献しているのに、誰より優秀なのに…それらがまったく評価に加味されていないと感じると、やる気になれという方が難しい。
ほとんどの人の幸福度や満足度というのは、ものすごく相対的に決められているということですね。そして自らの価値を、「誰より」「他の人より」「あの人より」と誰かと比べることで見出そうとするのが当たり前の状態で生きてきたし、これからも生きていく。ほとんどの人がそうでしょう。
先週のメルマガで、
「会社を辞めたいという社員」
について記事にしました。辞めて別の職場に行ってもきっとその人には同じ問題が起こる。なぜならその現象を生んでいるのは、本人の心のあり方だから。
という内容だったけど、実はこれ会社や組織の側にも同じことが言える。
みんなで一丸となって同じ方向に向かって行こうとチームづくりをしているときに、どうしてもやる気になってくれない、協力的ではない、雰囲気が悪くなる発言をする、足を引っ張ろうとするという人がいるとする。
経営者や責任者としては、その人さえ変わってくれればうまくいくのにどうあっても変わってくれないということで苦労するんですよね。
ところがその人が「やめる」と言い出した。
そうすると残るのは元々同じ方向を向いて進んでいこうとしていた人しかいない。これで職場の雰囲気が良くなるだろうと期待していたのに、その人が辞めたときから、それまでそんなことはなかった別の人が、非協力的になり、足を引っ張り、雰囲気が悪くなるような言動をするようになる。そんな経験がないだろうか。
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