第308号(2024年3月29日号)
『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』
はじめに:
いつもメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』をお読みいただきありがとうございます。
オーストラリアから無事戻り、今週は日本国内からお送りいたします。
気が付けば3月末。
会社や学校の年度末の作業に追われている方も多いのではないかと思います。
風邪やインフルエンザも流行っているようですので、くれぐれもお体ご自愛下さい。
さて、今週号の内容ですが、まず【1】の
『無敵の交渉・コミュニケーション術』のコーナーでは、引き続き
【危機管理の交渉術(Crisis Negotiation】についてお話しします。
先週号から、危機管理の交渉術を使う具体的な危機対応として
【コロナのパンデミック下での交渉術】
についてお話ししています。。
先週号では緊急事態に直面して
(今回はコロナのパンデミックです)急速な変化を要する3つの事例についてお話しいたしました。
今週号では【交渉の理論から引き出せる3つの原則に対するChange】についてお話しします。
その注目の内容は、本編をお楽しみに♪
次に【2―国際情勢の裏側】ですが、今週もいろいろな動きを見せています。
一つ目は【深まるイスラエルの孤立と第5次中東戦争の足音】についてです。
カタール、エジプト、アメリカの仲介により、間接的な外交・折衝という形ではありますが、
ラマダン中の停戦・戦闘休止と人質解放についての協議が、イスラエルとハマスの間で行われています。
女性と子供の人質解放と引き換えに、イスラエルが拘束している
「パレスチナ人を700名から1000名を解放する」という提案が合意寸前まで来ていましたが、
『内容が非常に妄想じみている』と受け入れ拒否の姿勢を示すネタニエフ首相の態度を前に、展開が見えづらい状況です。
また、国連安全保障理事会ではついにイスラエル・ハマス間の戦争に関して、
“ラマダン中の即時停戦”と“人質解放・交換”の確実な実施、
そしてガザ地区への緊急人道支援の確実な実施などを盛り込んだ決議が初めて採択されました。
日本をはじめとする非常任理事国10か国が共同提案し、ロシアと中国も拒否権を発動せず、
アメリカが採択を棄権するにとどまった結果、14か国の賛同を得ました。
イスラエル政府はアメリカの心変わりに怒り心頭のようですが、国際社会に民主主義国家の顔をして残るのであれば、
拘束力を有する安保理決議のイスラエルによる確実な履行が期待されます。
ただまだ紛争解決に向けた糸口は見えない中、
増え続けるガザにおける犠牲と極限状態の人道危機に対して深刻な懸念を有します。
二つ目は【太平洋を巡る安全保障と国際情勢】についてです。
これは先週にも触れましたが、私がキャンベラに滞在中に、中国の王毅外相の訪問に加え、
英国の安全保障担当の高官(軍含む)のキャンベラ訪問も重なりました。
これは米英豪の安全保障関係の強化とアジア太平洋地域における不安定化要因に共同して対応することを
確認し合う会合だったようですが、同時期に訪問していた王毅外相の注意を十分に引き付けたようで、
表向きに伝えられている中国とオーストラリアの関係改善・修復の兆しのみでは語れないテンションがまだ続いているようです。
三つ目は【モスクワ郊外のコンサートホールで起きたテロ事件の影響】についてです。
テロ事件の内容そのものはニュース報道をご覧いただければと思いますが、
このテロ事件が与えるimplicationsについていろいろなことが考えられます。
1つ目は「ウクライナは本件に何らかの形で関与したのか?」
2つ目は「スタン系の国々(イスラムの国々)による対ロ抵抗の再開なのか?」
3つ目は「プーチン大統領とその側近の工作の一環なのか?」
そして4つ目は、「この事件を機に、ロシアはウクライナに対するend gameを仕掛けに来るという狼煙なのか?」
いろいろな憶測とシナリオが立てられています。
ロシア政府、特にプーチン大統領とその周辺の超強硬派がどのような判断をするのかによって、
今後、Beyond Ukraineに及ぶ新しい緊張が広がる可能性が高まります。
現状のロシア・ウクライナ戦争の戦況と、“停戦協議”にむけた水面下での動きなどに鑑みて、
見ておく必要があるかと思います。
【2-国際情勢の裏側】では、
【孤立を脱したプーチン大統領・孤立を深めるネタニエフ首相】
と題してお送りいたします。
今回のメルマガも長くなりましたが、どうぞ最後までお付き合いくださいね。
それでは今週号、スタートします★
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