先週取上げた厦門・金門(「厦金海域」)海域の漁船衝突事件で、日本のメディアが台湾海巡署の問題には一切触れず、「尖閣の再現だ」「現状変更だ」と中国批判を繰り返していることに疑問を投げかけた。
3月29日のNHK『時事公論』もまるで判を押したように同じ解説だった。厦金海域の状況は尖閣諸島の問題と同じなのか。
中国海警局の船が尖閣諸島周辺に頻繁に現れるようになったのは2012年以降。きっかけは野田政権(当時)の「尖閣国有化」だ。日本は大胆に一歩を踏み出し、逆に中国に大幅に押し込まれてしまったのだ。
つまり厦金海域の漁船衝突事件と尖閣諸島に共通点があるとすれば、それはどちらもオウンゴールだったということだ。
だが『時事公論』の解説を聞いていても、視聴者は何が台湾のオウンゴールか、理解できなかったはずだ。意図的なのか、取材不足か、民進党政権が事件処理の過程で積み重ねた数多の失策には触れられていないからだ。
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