今週は中東で地政学的リスクが再び急上昇、特に、昨日4月4日
からは原油価格が急騰しました。
4月1日、シリアの首都ダマスカスのイラン在外公館に、イスラ
エルのものとみられるミサイルが撃ち込まれました。このミサイ
ル攻撃で、イランの「革命防衛隊」の大物司令官:ザヘディ司令
官を含めて、合計7人が殺害されました。
この4月1日のイスラエルの攻撃はこれまでとは異なり、イラン
の在外公館を狙ったもので、しかも大物司令官を狙ったもので
す。これは極めて異例です。
即刻イランも報復を誓っています。
中東を巡る地政学的リスクが一挙に高まりました。
このように緊張が高まっている中で、4月4日、イスラエル政府
はイランが報復してくる可能性に備え、テルアビブの上空の「衛
星利用測位システム(GPS)」にスクランブルをかけました。
この「自国の都市上空のGPSへのスクランブル」措置は、イラ
ンや親イラン過激派組織がGPS誘導型の無人機やミサイルを発
射した場合、それを妨害するためのものです。
(おかげで、この日のテルアビブは、すべてのGPS機能が混
乱、交通状況に遅れが生じ、食料品配達が混乱したりしまし
た。)
こんな人騒がせな措置をイスラエル政府が発動したということ
は、なにがしかの諜報活動上の根拠があってのことでしょう。
この4月4日のイスラエル政府の「GPSへのスクランブル」発
動で、グローバル市場では「イランがイスラエルをミサイル攻撃
するかもしれない!!!」との「噂」が流れました。
イランがイスラエルの都市を直接攻撃するような事態に陥れば
「史上初」となります。それは「イスラエルとイランの直接対
決」の始まりであり、現在進行形の中東紛争が「中東大戦争」へ
と拡大することを意味します。
こんな事態は決して起こしてはならないことです。
さすがのイランもまだそこまでの覚悟は出来てないでしょう。
「中東大戦争への拡大」はおそらく回避されることでしょう。
しかしながら、イスラエルとヒズボラ(イランに支援を受けてい
る親イラン過激派組織)との「全面対決」が始まる可能性は高ま
っています。
こういった地政学的リスクの高まりで、原油価格も急騰(WTI
先物は1バーレル80ドル台後半へ急騰)、内外の市場は一斉に
リスクオフへと動きました。
今後の原油価格の行方には、目が離せません。
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