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[高野孟のTHE JOURNAL:Vol.646]民主主義の古くて新しい形──議会の機能不全を救う「ミニ・パブリックス」の挑戦

高野孟のTHE JOURNAL
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 高野孟のTHE JOURNAL Vol.646 2024.4.8                  ※毎週月曜日発行 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《目次》 【1】《INSIDER No.1254》 民主主義の古くて新しい形──議会の機能不全を救う 「ミニ・パブリックス」の挑戦 【2】《CONFAB No.611》 閑中忙話(3月31日~4月6日) 【3】《IPPIN No.003》 私の逸品・その4<和製ジン「香の雫」> ■■ INSIDER No.1254 24/04/08 ■■■■■■■■■ 民主主義の古くて新しい形──議会の機能不全を救う 「ミニ・パブリックス」の挑戦 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■  6月23日の会期末を迎える今国会中に、岸田文雄首相 が衆院解散に踏み切るのではとの見方が永田町で急速に 広まっています。5日の衆院内閣委員会では、裏金問題 についての政治責任について問われ、「最終的には国民 や党員に評価、判断いただく」と述べました。岸田首相 の苦戦が予想されている9月の自民党総裁選では、党員 票の行方が結果を左右します。その状況下で、「党員」 という言葉の前に、あえて「国民」を付け足したことで、 いよいよ解散総選挙は近いと受け止められています。  ただ、仮に6月に解散宣言をしたとしても、「国民不 在で自己保身のための解散」と批判されることは必至で す。ですが、そもそもの問題として、今の日本の政治に 「国民」はいるのでしょうか。  業界団体、宗教団体、労働組合など、組織票を持つ政 治家は選挙に強いのは日本に限らず世界の国々で共通し ています。組織の支援を受けて当選した政治家は、その 組織の意向に反する法案や政策に賛成することは容易で はありません。その結果、地球温暖化対策など、長期的 な視点に立った政策の実施に困難が生じています。  そういった議会制民主主義の欠陥を補う制度として、 「ミニ・パブリックス」と呼ばれる手法が世界的に注目 されています。  ミニ・パブリックスとは、熟議民主主義の一つの類型 として、無作為抽出(いわゆるクジ引きのこと)で選ば れた参加者が、社会的な問題について議論し、合意形成 を目指すものです。現在の議会制度では、社会的な問題 への関心はあるのに、政治の意思決定に参加できない 「満たされない民主主義者」と呼ばれる人々がたくさん います。その人たちの意見を政治に反映させる手法とし て、日本でも試験的な試みが始まっています。  選挙の風が吹き始めた今だからこそ、「この国の政治 はこれでいいのか」と問い直すことが必要ではないでし ょうか。その一例として、ミニ・パブリックスの一つと して厚木市で実施された「気候市民会議」のレポートを 掲載します。

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