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金正恩総書記の代理人 金与正の「談話集」

辺真一のマル秘レポート
\\\ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ///           辺 真一メールマガジン        マ┃ ル┃ 秘┃ レ┃ ポ┃ ―┃ ト┃         ━┛ ━┛ ━┛ ━┛ ━┛ ━┛ ━┛              2024.04.15 Vol.366          [毎月5,15,25日発行+号外あり] /// ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ \\\  金与正(キム・ヨジョン)党副部長は政治局員ではなく、政治局員候補である。労働党の序列では20位前後と低いが、実力、発言力は10人の政治局員を飛び越え、4しかいない政治局常務委員よりも上である。それもこれも、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の3歳離れた実妹だからである。    金与正副部長が国際社会のスポットを浴びたのは2018年2月に韓国の平昌で開催された冬季五輪の開幕式に北朝鮮の代表団の一員として出席した時からだ。団長の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長(当時党序列No.2)が団員の与正氏に席を譲るなど奉っていたこともあって、韓国政府もメディアも与正氏が「影のNo.2」であると見て取った。与正氏は物怖じすることもなく、大統領官邸を訪れ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)と会見した際にも冗談を言うほどの余裕を見せるなど威風堂々としていた。    金与正氏は党副部長に就任した2014年から兄の視察に随行し、時に党・国家行事を仕切り、そのうえ外交的メッセージを発信している。彼女が発表する談話は労働党の方針でもあり、金総書記の意中でもある。    金与正氏の談話から北朝鮮の対外政策を読み取ることができるが、これまでの主な談話を一挙掲載する。 □2020年 ▲3月22日(トランプ大統領の親書受理を公表)  「朝米関係の進展が大きな困難と課題に直面するこのような時に我が委員長との関係を引き続き維持しようと努力を傾けているのは良い判断であり、正しい行動である。高く評価されるべきだ。両国を代表する方々の親交であるので肯定的に作用するだろうが、その個人的親交が両国関係をどう変え、牽引するかは未知数だ。即断したり楽観したりするのも、あまり良くない」 ▲6月4日(5月31日の脱北団体の対ビラ散布について)  「南朝鮮当局は軍事境界線一帯でのビラ散布を含むすべての敵対行為を禁止した板門店宣言や軍事合意書の条項を決して知らないとは言わせない。北南の敵対関係がいかに根深くても同族に対する敵意が極限に達したとしてもある程度分別があってしかるべきではないか。『6.15』(2000年の7南北首脳会談)20周年を迎えようとしている時に我々の面前で執拗に行われる悪意に満ちた行為を『個人の自由』とか『表現の自由』とう美名のもとで放置するならば南朝鮮当局は遠からず最悪の局面を迎えることになるであろう(中略)それが、金剛山観光廃止 になるのか、使い道なく放置されている南北共同連絡事務所の閉鎖になるのか、あってもなくても変わりない南北軍事合意の破棄になるのかわからないが、覚悟しておくべきだ。善意と敵意は融合できず、和合と対決は両立できない」 ▲6月13日(南北連絡事務所について)  「委員長同志(金総書記)の絶対的権威を刺激し、神聖なる我々の側に汚物を押し込めるゴミどもとその妄動を黙認する者を絶対に許さない。連続的な行動で報復しなければならない。南朝鮮の者たちと決別する時が来たようだ。私は委員長同志と党と国家から付与された私の権限を行使し、敵対(対南)事業関係部署たちに次の段階の行動を決行することを指示した。(南朝鮮当局は)遠くない時期に、使い物にならない北南共同連絡所が形骸なく崩れる悲惨な光景を見ることになるだろう。次の対敵事業の行使権を我々の軍隊の総参謀部に移そうと考えている。 我々軍隊もまた、断行するものと信じる」 ▲7月10日(米朝首脳会談について)  「私の個人の考えではあるが、朝米首脳会談のようなことが今年にはあり得ないと思う。しかし、両首脳の判断と決心によってどんなことが突然起こるかは、誰も分からない。明白なのは首脳会談を必要としているのは米国で会って我々ではない。我々にとっては日実利的で無益である。我々は期待していない。また応じる必要もない。時間だけ無駄というものである。(中略)米国は内心ハノイ会談の時の交渉条件に回帰したいようだ。部分的な制裁解除で我々の核中枢がマヒしたかもしれない。取引条件が合わないのに我々が危険を冒したのは人員の生活向上を

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