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都知事選で「カイロ大卒」と胸を張れるのか。窮地の女帝に迫る覚悟のとき

国家権力&メディア一刀両断
永田町異聞メルマガ版      「国家権力&メディア一刀両断」 2024.04.18                   新 恭(あらた きょう) ----------------------------------------------------------------------   都知事選で「カイロ大卒」と胸を張れるのか。窮地の女帝に迫る覚悟のとき ---------------------------------------------------------------------- 東京都の小池百合子知事は4月12日、その政治生命を左右するかもしれない月 刊「文藝春秋」最新号(4月10日発売)の記事が掲載されてから初めての定例 会見にのぞんだ。 「カイロ大学首席卒業」という小池氏の肩書。それを「虚偽だ」とエジプト留 学時代に同居していた女性がかねてから告発していたが、こんどは、環境省キ ャリア官僚だった小池氏の元側近が「私は学歴詐称工作に加担してしまった」 として手記にまとめ、同誌に発表した。 しかもその内容が、小池氏の卒業を証明するカイロ大学の声明文を捏造し、駐 日エジプト大使館のフェイスブックに掲載したというのだから、ただごとでは ない。声明文の原案を書いた元ジャーナリストの具体的な証言内容も明らかに していて、その信憑性はきわめて高い。 定例会見で、関連の質問が出るのは明らかだった。噂されていた衆議院東京15 区補選への鞍替え出馬を取りやめ、7月の都知事選に残りの政治家人生を賭け る決心をした小池氏にとって、この時期に学歴詐称疑惑が蒸し返されるのは致 命的だ。火消しのためにも、会見では、心の動揺を気づかれないよう、「一笑 に付す」演技を心がけねばならなかった。 「記事が出たということは承知しております。卒業したことを大学が認めてい る。毎度毎度、選挙のたびに記事が出るのは残念なことです」 質問に答えはじめた小池知事は、前回の都知事選(2020年7月5日)の1か月ほ ど前のことを思い出していた。 小池氏のエジプト留学時代の同居人、北原百代さんの証言をもとにノンフィク ション作家、石井妙子氏が書いた「女帝 小池百合子」が書店に並び、都議会 がカイロ大学卒業証書・卒業証明書の提出を求めるなど、追及を強めていた時 期だ。

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