拾われし者|No.174|原田寛|芦原英幸と直弟子たち
バックナンバー一覧 http: //www.mag2.com/archives/0001677702/
メールマガジン『拾われし者』 No.174
激闘(後編)
「ピコン!!」と無情にも響き渡る電子音。
得点は一気に4対7と開いた。
非常にクレバーな戦い上手である。
しかし、原田選手も負けていなかった。
相手に得点が入り悔んでいる私たちを尻目に、右廻し蹴りをくらった瞬間に左廻し蹴りをカウンターで蹴り返して「ピコン!!」と電子音をお見舞いした。
何と得点は6対7。
場内大熱狂で拍手が鳴り始めた。
そして、あきらかに場内がざわつきだすのが感じ得た。
見守る私の横から、「あの空手家、良く頑張っているよね。あの強豪○○選手に信じられんよな?ひょっとするかもしれんな?」などのささやきが聞こえはじめた。
優勝候補第1シードのテコンドー選手に、僅か4ヶ月間しか修行が出来ていない新人空手選手が善戦している。
この事実のみが会場の熱狂に変わってきていた。
相手選手に焦りの気持ちが色濃く出てきた。
攻撃の度に、序盤のゆとりよりも必死さがにじんできている。
ガムシャラに攻めの組み立てが見てとれた。
この記事は約
NaN 分で読めます(
NaN 文字 / 画像
NaN
枚)