「県立高共学化への反対運動はオワコン」
どういうわけか、北関東から東北にかけての公立高校では、戦後も長い間「男女別学」が続いていました。ですが、さすがに21世紀にそれはないだろうということで、東北では近年どんどん共学化が進んでいます。
そこで残されたのが、北関東の各県です。具体的には、群馬、栃木、茨木と埼玉で、それぞれにようやく是正の動きが出てきています。中でも、埼玉県内に12校ある男女別学の県立高校の共学化を巡っては、県の方針として進められています。ところが、現場には反対意見があるようで、まず、いずれも別学の浦和と浦和第一女子、川越女子、春日部各高校の同窓会長が集まって、4月の18日に県庁で会見。共学化反対を訴えたそうです。
まあ、同窓会長としては、別学時代の自分の青春を懐かしむのが仕事ですから、反対するのは心情的な合理性はあります。しかしながら、それ以上でも以下でもありません。また、この人たちの主張、
「別学であることで性別に関する偏見から解放され、社会に出た後も偏見に気づける」
「共学になれば社会の男女の役割固定化が持ち込まれる可能性がある」
「別学の維持が生徒の選択肢の多様性につながる」
「別学には入試偏差値の高い伝統校が多い」
「共学化した場合、体育の指導やマラソンなどの伝統行事、トイレやグラウンドなどの設備面で変更を余儀なくされる」
などといった意見は、まず聞くに値しないと思います。また現役の生徒会長も、
「男女別学に通いたいという多様性を無視している。『別学の方がいい』と、この学校に入った。生徒の声に耳を傾けて」
「現段階で早急に共学にする必要はない。男子校と女子校の交流機会を設けるなど試せることはある」
などと表明、彼らによれば約85%の生徒が共学化に反対だったそうです。まあ、人間には現状に甘んじて、現状を変えたくないという心情はあるので、理解できないわけではありませんが、残念ながら21世紀の現在、通用する考え方ではありません。
世界的な常識、そして切羽詰まった日本社会の現状を考えると、次の2点が指摘できると思います。
1つ目は、より優秀な学生を集め、より優れた教師やカリキュラムを用意している学校が、男子だけに入学を許可するのは、ジェンダー差別であり、弁解はできないということ
2つ目は、統計的に女子の精神的成熟が早いとされている中で、思考力や社会性の点で男子を隔離することの弊害は明らか。非婚少子化という点でも、女子校の弊害はないが、男子校には弊害あり
これは、かなり重要な論点だと思います。結論を言えば、選択肢としての女子校は存在意義はあるが、男子校は弊害が多くオワコンだというのが、21世紀の常識だと思います。
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