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高野孟のTHE JOURNAL Vol.649 2024.4.29
※毎週月曜日発行
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《目次》
【1】《INSIDER No.1257》
「食料自給率」目標を捨てる?食料・農業・農村基本法
改正案/参議院でまともな原理的議論をしてほしい
【2】《CONFAB No.614》
閑中忙話(4月21日~27日)
【3】《FLASH No.558》
岸田首相が「社会問題」と位置付けた“花粉症撲滅”政
策の見当外れ/日刊ゲンダイ4月25日付「永田町の裏を
読む」から転載
【4】《IPPIN No.007》
私の逸品・その7<京都「十三や」の黄楊櫛>
■■INSIDER No.1257 24/04/29 ■■■■■■■■■■
「食料自給率」目標を捨てる?食料・農業・農村基本法
改正案/参議院でまともな原理的議論をしてほしい
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「食料・農業・農村基本法」を25年ぶりに改正する法
案が4月19日に衆議院で自公両党と維新の賛成で通過、
26日から参議院での審議が始まった。「農政の憲法」と
呼ばれる同法の改正は、我々の暮らしの基盤である農と
食をいかに確保していくかを方向づける大事な議論のテ
ーマであるはずだが、その割に国民はほとんど無関心
で、マスコミも中身に踏み込んだ報道を全くしていな
い。「国民の理解が深まる議論を」と叫んでいるのは農
協の機関紙=日本農業新聞(4月20付解説)くらいのも
ので、このままでは多くの人々が知らない間に同法の骨
抜き化が罷り通っていくことになろう。
●格下げになった「食料自給率」目標
改正案の最大の問題点は、すでに本誌No.1247で詳細
に論じたように、現行法で中心的な目標とされていた
「食料自給率の向上」をこっそりと取り下げようとして
いることである。いや、取り下げたいなら取り下げれば
いいのだが、その目標を掲げて25年間取り組んで、現行
法制定当時40%だった自給率が現在38%の微減という無
惨な結果に終わったのは何故かの総括をキチンとしない
のは、卑怯というものだろう。
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